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【設計サプリ】その14 (リーマ穴の精度)

[掲載日]2022.04.15

【リーマ穴の精度はどのくらいか調べてみました】

設計者の皆様

いつもお世話になっております。
株式会社ナカサ見積り担当です。
このページでは
私たちが見積りする中で経験したコストダウンに関する情報を「設計サプリ」と題してご紹介させていただきます。
第14回目は「リーマ穴の精度」です。

前回のドリル穴の精度に続き今回はリーマ穴の精度の話です。
リーマはドリルで粗加工したあとの仕上げに使用します。

ではこのリーマではどのくらいの精度が出るのか調べてみました。


リーマー


表1

表1はΦ4.33狙いで製作されたリーマを使い深さ5㎜まで連続で30回加工したときの測定結果です。
被削材はSUS304です。

これを見ると4.330~4.335の幅で加工されているようです。
仮に要求公差が±0.01㎜(表1の上限、下限線)であったとしても十分公差に入っています。
また、工程能力を考えたとき、要求公差の50%に入っていてほしいのですが
±0.01×50%=±0.005なのでこれにも入っています。
よって±0.01㎜であれば寸法を保証できそうです。

さらに要求公差が厳しく±0.005㎜であった場合、公差には入っていますが工程能力はなさそうですので
寸法保証のためには全数検査などの対策が必要となります。
よって少しコストがアップします。

尚このSUS304は加工精度出しやすい材質です。
フェライト系ステンレスの場合はもう少し悪い傾向がでます。

公差設計をされるとき参考にしてください。

リーマ穴の精度でさらに高精度をご希望の場合はリーマの製造公差、
特にコーティングの膜厚公差も大きく影響するので詳しくはお問い合わせください。

【この記事を書いた人】

稲田聡(いなたさとし)
株式会社ナカサ 開発室長
ファクトリー・サイエンティスト No,00385
1966年島根県安来市生まれ
1989年からCADによる設計に従事し、当時は自動車のインパネ部品で基板やプリズムなど設計していました。
1991年から現在の会社で主に金型設計で3次元CAD/CAMを利用するようになり30年間複数のCAD/CAMと格闘した経験を持ちます。
現在はコストプラン、センサーを使ったデータ視覚化、インサイドセールスにも取り組んでいます。

(現在の主な使用ツール)
Rhinoceros
Fusion360
Ansys

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