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【設計サプリ】その6 (ボーナス公差でコストダウン)| 機械設計者が知っておくべき加工の基礎知識

[掲載日]2021.08.12

2021.8.12【新規投稿】
2021.11.30【改訂】

設計者の皆様

いつもお世話になっております。
株式会社ナカサ見積り担当です。
このページでは
私たちが見積りする中で経験したコストダウンに関する情報を「設計サプリ」と題してご紹介させていただきます。
第6回目は「ボーナス公差でコストダウン」です。

設計者の皆様はボーナス公差というのはご存じでしょうか。
ボーナスという言葉からなんとなく想像できるのではないかと思います。
正式には最大実体公差方式と呼び、公差の拡大を許容するJIS規格になります。
今回はこの最大実体公差方式を使ったコストダウン事例を紹介します。

図1のようなコの字型部品を例にします。
図1
A,B二つの穴に対品ピンが挿入される機能により、この穴の同軸度を図2のように規定したとします。

図2
この同軸度公差の測定方法としては写真1のような3次元測定機を使用します。
写真1
3次元測定機による測定は数個であれば問題ないのですが、量産で1000個製作となった場合、1000個全数測定となると効率が悪く、加工費に対する検査費のコストが高くなってしまいます。
そこで良く使用するのがピンゲージによる同軸度検査です。(写真2)
写真2
ピンゲージを貫通させてスムーズに通ればOK,通らなければNGの判定をします。
ピンゲージであれば価格も安く、加工しながら全数検査ができるので効率も良く検査コストも僅かです。

しかし、図2のように規定された公差ではピンゲージによる検査はできません。
なぜかと言いますと、A,Bそれぞれの穴には公差があり穴径はバラつくので、その都度穴径を測って穴径に合わせたピンゲージを使用しないといけないからです。

ピンゲージで簡単に同軸度を検査できるように規定したい。そこでボーナス公差が登場します。
図2の規定にボーナス公差を加えたものが図3になります。
図3
このように規定すると、A,B穴径公差の下限値から同軸公差を引いたピンを挿入してスムーズに通れば公差に入っていると判定できます。
(この例ではΦ4.000から0.02を引いてΦ3.980のピンゲージ)
このボーナス公差は言い換えると検査ゲージ(機能ゲージ)設計用と言ってもいいでしょう。

その名の通りボーナス公差は加工屋にとってとっても嬉しい公差ですし、コスト削減にもなりますのでご活用いただくことをお勧めします。

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【この記事を書いた人】

稲田聡(いなたさとし)
株式会社ナカサ 開発室長
1966年島根県安来市生まれ
1989年からCADによる設計に従事し、当時は自動車のインパネ部品で基板やプリズムなど設計していました。
1991年から現在の会社で主に金型設計で3次元CAD/CAMを利用するようになり30年間複数のCAD/CAMと格闘した経験を持ちます。
工作機械も一通り使ってきましたが、最近はコストプラン、センサーを使った工場の見える化、インサイドセールスにも取り組んでいます。

(現在の主な使用ツール)
Rhinoceros
Fusion360
Ansys

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