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【設計サプリ】その24(間違いだらけの加工図面)

[掲載日]2023.02.15

設計者の皆様

いつもお世話になっております。
株式会社ナカサ見積り担当です。
このページでは
私たちが見積りする中で経験したコストダウンに関する情報を「設計サプリ」と題してご紹介させていただきます。
第24回目は「間違いだらけの加工図面」です。

設計者の皆様も私たち加工屋もJISで規定されている製図方法を基に読み書きします。
しかしこのJISは定期的に改訂されています。
今年で令和5年になりますが、最近昭和に書かれた図面で見積ることがありました。
当然昔の規格で書かれていますので若い設計者の方は?となるかもしれませんね。

また、ベテランの設計者の皆様はつい昔の規格を使って図面を書いたりされていないでしょうか。
実は私自身も昔の規格で書いてしまうことがあります。

今回はその反省も含めて間違いがちな新旧規定の違いを紹介したいと思います。

(1) 表面粗さ

新旧規格の違いでよく目にするのは表面粗さではないでしょうか。
旧規格の▽記号は覚えやすいせいか最近の図面でも見かけることがあります。
現在の規格と比較したものを図1に示します。
図1

(2) 穴記号

ボルト穴、ドリル穴などで座繰り深さや穴深さを表現することがあります。
これも旧規格で書かれているものも多いように思います。
私たちは図面をメールで送ることがありますが、ポイントをメール本文に書いたりします。
そのようなときは旧規格のほうが使いやすいですし、CADによってはこの記号が出てこないものもありますので困りますね。
現在の規格と比較したものを図2に示します。
図2

(3) 直径記号Φを付ける?付けない?

以前は直径のΦ記号は180°以上円弧がある場合は省略することになっていました。
現在はどちらでもいいようです。
私は省略すると間違いの原因になるので昔から省略せず書いていました。
現在の規格と比較したものを図3に示します。
図3

(4)段差寸法

以前は寸法公差とよばれていたものは現在はサイズ公差と幾何公差に区別して使われています。
図4に示すような段差寸法も幾何公差の中の位置公差として表現することになります。
作図の手数が増えるので旧規格の方が良いと思われる設計者の方も多いのではないでしょうか。
改めて整理して覚えなおしたいですね。
図4 

【参考文献】

1992年発行 大学課程 基礎製図学 オーム社
2006年発行 図面ってどないかくねん! 山田学著 日刊工業新聞社
2011年発行 ツールエンジニア臨時増刊 2011-vol.52  大河出版
2021年発行 JISにもとづく機械製作図集 大西清著 オーム社

【この記事を書いた人】

稲田聡(いなたさとし)
株式会社ナカサ 開発室長
ファクトリー・サイエンティスト No,00385
1966年島根県安来市生まれ
1989年からCADによる設計に従事し、当時は自動車のインパネ部品で基板やプリズムなど設計していました。
1991年から現在の会社で主に金型設計で3次元CAD/CAMを利用するようになり30年間複数のCAD/CAMと格闘した経験を持ちます。
現在はコストプラン、センサーを使ったデータ視覚化、インサイドセールスにも取り組んでいます。

(現在の主な使用ツール)
Rhinoceros
Fusion360
Ansys

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